3つの思考から考える「1棟まるごとリノベーション」

更新日 2025.06.01

おんぼろ物件を“維持”ではなく“再生”するために──。今、新世代オーナーが見直すべき視点とは?

 

じめに

 

あなたが受け継いだその建物は、かつては地域のランドマークだったかもしれません。

けれど今、家賃は少しずつ下がり、入居も決まりづらくなってきている。

「なんとか維持してきたけれど、そろそろ限界かも…」

そんな声を、私たちは多く聞いてきました。

 

ここでご紹介するのは、ただの修繕でも、建て替えでもない──

「1棟まるごとリノベーション」という、新しい選択肢。

 

それは、家賃を取り戻すこと以上に、

「物件の未来を再設計することに近いのです。

 

プローテ二子玉川


「とりあえず修繕」では、もう追いつかない。
~① 長期修繕に“戦略”を加える思考~

 

築年数が20年、30年を超えると、

配管・防水・外壁など目に見えない部分の老朽化が一気に表面化します。

「そろそろ長期修繕を…」と考えるのも当然です。

 

けれど、たいていの修繕は“維持”であって“成長”や“進化”ではありません。

入居者にとって「雨漏りしないこと、汚れていないこと」は最低限。

それが家賃アップに直結することはまずありません。

 

たとえば、外壁を塗り替えても、室内はそのまま。

設備は古く、間取りも今の暮らし方に合わない。

これでは、入居者が“選ぶ理由”にはならないのです。

 

そこで必要なのが、修繕に「+α」=再生の視点。

設備も内装も、建物全体をひとつの価値として再構築することで、

「直す」ではなく「変える」ことが可能になります。

 

MMA


退去はピンチじゃない。むしろチャンス。
~② 原状回復からの脱却思考~

 

退去が出たら、すぐに原状回復。

次の入居者を逃さないために。

その判断、よく分かります。

 

でも、その結果、家賃は少しずつ下がっていませんか?

同じ間取り、同じ設備、同じ内装。

家賃だけが数千円ずつ下がり続け、

気づけばキャッシュフローに余裕がなくなっている。

 

それは小さな機会損失の積み重ねです。

築年数が進めば進むほど「ただ戻すだけ」では魅力が足りない。

「次の10年」に向けて、物件を再設計するタイミングは今です。

 

1棟まるごとのリノベーションなら

・間取りも設備も、今の入居者ニーズに合わせて再構築

・ファサードから共用部まで一体でデザインし直すことで、物件イメージを一新

・築古物件にありがちな「チグハグさ」をなくし、“選ばれる物件”へ

 

惰性の原状回復から抜け出すこと。

それが、再生への第一歩です。

 

鮫洲ブランチ


建て直さないことにこそ、勝ちパターンがある。
~③ 新築かリノベか思考~

 

「ここまできたら、建て替えるしかないんじゃないか?」

そう考えるオーナーも少なくありません。

 

でも実際には──

・建築コストは高騰し続け、採算が合わない

・再建築不可や高度地区など、法規制に縛られるケースも多い

・仮住まいや空室期間など、リスクと時間が大きくのしかかる

 

だから「今ある建物をどう活かすか」が問われています。

 

実は、入居者は「新築かどうか」よりも、

「自分らしく住めるか」を重視しはじめています。

特に、住まいにこだわりを持つファミリー層や自営・専門職層にとって

築年よりも「コンセプト」や「空間の質」が決め手になるのです。

 

リノベーションは、時代遅れ”を“唯一無二”に変える力があります。

 

unico 川崎


まるごと変えると、何が変わるのか?

 

「1棟まるごと」だからこそできる再生があります。

それは、個室の入れ替えでは得られない“物件全体の再設計”。

 

1:建物が変わる(ハードの価値)

・配管・断熱・外装も含めた建物全体の耐用性向上

・ファサードや共用部を刷新し、印象そのものを変える

・省エネ対策や環境配慮も全体で効率的に導入

 

2:入居者が変わる(マーケットの価値)

・ターゲットを再設定して、入居者の質と満足度が向上

・“選ばれる理由”を可視化し、家賃も安定して再構築

・長期入居者の獲得で空室率の不安が減少

 

3:オーナーが変わる(経営の価値)

・修繕費が“未来への投資”に変わり、資産の再設計につながる

・キャッシュフローが改善され、次の手が打てるようになる

・“自分の代で再生ができた”という納得感、満足感が得られる

 

BOIL 溝の口


最後に

 

築年数や老朽化は、終わりを意味しません。

それは、物件がもう一度生まれ変わるチャンスです。

 

「1棟まるごとリノベーション」は、ただの修繕ではなく、

“選ばれ続ける物件”として、未来を描き直す手段です。

 

「いつかやらなきゃ」ではなく、

「今やれば変えられる」と気づいたときが、そのタイミング。

 

ぜひ一度、ご相談ください。

物件の未来を、私たちと一緒に描き直してみませんか?

 

NENGOの1棟まるごとリノベーションの事例

 

<マンション事例>
1:プローテ二子玉川
2:MMA
3:鮫洲ブランチ (※こちらのコラムもご参照ください)

<ビル事例>
4:unico川崎
5:BOIL 溝の口