大山街道を、食とアートと文化に囲まれた
自然と共存するヒューマンフレンドリーな街に
―背景―
江戸中期から昭和初期にかけて、大山街道は文化人が集まる場とされていました。江戸赤坂御門を起点として、雨乞いで有名な大山阿夫利神社までの道、江戸中期、庶民のブームとなった「大山詣」の道として盛んに利用されるようになり、この頃から「大山道」「大山街道」という名になりました。しかし現在の大山街道は、歩道さえもなく、通過交通を処理する道路としての役割となってしまっております。1日約1万台の自動車の交通量があると言われていますが、その車が止まることはありません。
―コンセプト―
私たちは大山街道を、【人が歩くスピード、若しくは自転車の走行するスピードが、最も心地よい街(街道)】にしていきたいと思いました。
街道沿い建物の路面部分を商業店舗にすることで、人々の意識は前から横に変化します。意識から興味に変わり、興味から動機に変化させる為のデザインの仕掛けを行いました。
―デザイン―
新築K邸の外壁色は、空に似合う色を選択しました。澄んだ青と相性の良い色にすることで、人が歩く目線の確度から、白と青のバランスが綺麗に見えるようにし、ヒューマンフレンドリーな美しい見上げ景色を保ちます。
新築のK邸と既存マンションの間には「ポケットパーク」をデザインし、既存入居者・新規入居者、その知り合い、友達など、連鎖的に繋がる人々が、プライバシーを守りながらも寛ぐ事ができる場所をつくりました。オープンすぎず、クローズドすぎずという環境を守るために、レイヤーを設けながら街に開放していきます。
外壁・外構素材は、手仕事の街道に存在する建物として、手仕事で成り立つ左官・木・石などの素材を利用しました。外壁の左官は緑陰が美しく映え、人の心を穏やかにします。また、多摩川と共存する街道として、自然素材である木や石との素材の融合を図りました。
物件名 | 大山街道 【K邸とポケットパーク】 |
所在地 | 川崎市高津区二子新地 |
最寄り駅 | 二子新地 |
構造 | (新築)木造3階建、(既存)RC造3階建 |
築年月(築年数) | (新築)2017年、(既存)1986年 |
備考 | <プロデュース、新築工事、リノベーション工事>NENGO |